執行猶予3年
「~~♪xxx♪」
始まった。
作詞作曲椛田氏。
何を歌ってんのか忘れたけど、
何か歌ってるんだよな。
「オパッピー、パピー♪」
あれがマイブームらしい。
ウケル。
日勤何だが、
無駄に早く来て、
椛田さんのプチリサイタル鑑賞。
「あの~。
椛田さん。」
今日夜勤明けの、
若いバイトの看護師さんが、
椛田さんの処に来た。
少し困惑してるような顔だった。
「どうしたの?」
「215号の真ん中のベッドの、
山田さんがご飯食べないんですよ。」
「いらないって?」
「いや。
寝てて起こしても、
起きなくて…。
何か少し変なんです。」
「変って?」
「反応ないって言うか…。」
「熟睡してんだろ?
どれ、少し見に行くか。」
俺は何の気なしに、
テーブルに座って、
ヘタレてた。
すると、
急に慌ただしい雰囲気に包まれた。
慌てて救急カートを運ぶ音。
なんだ?
まあ、
なんにせよ、
急変だろ。
俺は215号に行ってみた。