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麻那、力強い…



足を踏みつけるように進む麻那は、なんだか怒ってる?




力強く屋上のドアを開け放つと、ひとがいないかを確認した。




すると麻那は私を目を細めて見てきた。



「なんで言ってくれないの?中村が外にいた事なんて、あたしだって知ってたよ」




知ってたんだ…



私がカーテンを閉めるのってそんなに事件かな。




「しかも永浜君とわかれたんでしょ、中村に唆されて」



「…違っ!」



しかし否定した後でその言葉はあながち間違いではないことに気づいた。




ただ私は悠の事が好きになれなくて、申し訳なくて…




どうして良いか解らなくなった。




ちょっと距離を置いてみたら、何か解るかもしれないって想ったから。
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