NO TITLE
お弁当を持って二人で屋上…
まるでカップルじゃないか。
私、今日初めて喋ったんです。
「綺羅、食べないの?」
この人今、私のこと綺羅って呼んだ!
「正体を見せなさいよ。」
「何の?」
「今更とぼけんじゃないわよ。あんたとは今日初めて喋ったの。私にとっては初対面と同類なんですけど。」
すると、永浜悠はニコッと笑った。
「彼氏、欲しくない?」
私が意味不明の眼差しで永浜悠を見ていると
「朝、手紙もらって面倒くさそうな顔してたじゃん?でも彼氏がいれば、告白も無くなるんじゃないかな―と想って。」
永浜悠は、ソフトな口調のくせに、計算高い。