NO TITLE


ケータイのディスプレイとにらめっこ。



その時…



「もしもし、綺羅?」


「・・・・・・」



なんの返事もない。



もう一回呼んでみた。



またなにもない。



ケータイのディスプレイを確認する。



綺羅に間違いない。



「綺羅?大丈夫?」



ケータイを耳に強く押しつけて、様子をうかがう。



「…っ……ぅ……麻…那…」



「綺羅?泣いてるの?ちょっと待ってて。」




ケータイをつないだまま、自転車にまたがった。



泣いてる綺羅がいる場所は…あそこしかない。



あたしは急いだ。
< 42 / 144 >

この作品をシェア

pagetop