ＮＯ ＴＩＴＬＥ

教室にはまだ受験生がたくさんいた。



ピリピリした空気がある。



受験生の神経を逆撫でしないように、会話は気をつけなければならなかった。



今、頭の中にはあの事しかなかった。



中村に綺羅に手を出すのを止めさせる。



あたしは中村のもとへ向かった。





「やぁ、合格おめでとう。」



「綺羅に手を出すのやめてもらえます？」



「またその話か。」



「バラしても良いんですよ？生徒にお金を渡したって。手を出してるって。」



「…わかった。止めるよ。」



中村はやれやれと言うようにため息をついた。



「もう二度と、綺羅に近づかないでください。」



「わかったよ。もう手は出さない。」



…良かった。



これで、やっと…