NO TITLE


キッチンに立って二人で洗い物。



急に静かになった部屋には、さっきまでの盛り上がりを予想させるものは何もなかった。




「綺羅ってさ?家、好きじゃ無いでしょ」



「…そんなこと無いよ?」



そんな事、ある。



なんで悠は何でもお見通しなの?



私は悠の考えがいまいち読めないのに。



「なんで解るの?って顔してる」


ほら、また。



悠の前じゃ私は、嘘をつけないんだ。



「悠は何でもお見通し。なんで?」



私は素直に質問をぶつけた。



一瞬、悠の目が悲しくなった。



なんで?




聞いちゃいけないことだった?
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