NO TITLE

一度、テストで名前を書き忘れて0点だったことがあった。



定期テストじゃなかったから、成績は大丈夫だったんだけど不注意で親父に見つかった。



そして、その後。




「お前はどんな教育をしているんだ!?俺が毎日、死に物狂いで稼いだ金を好き放題使って―――」



ガシャーン



そんな音が夜中までずっと聞こえてきた。



俺はまた部屋に閉じこもって、嵐が過ぎ去るのを待ってた。





トントン



ノックの後、部屋に入ってきたのは母さんだった。



「母さん、ごめん。俺のせいなのに」



パアンー



鋭い音と共に頬を貫いた、鋭い痛み。



「あんたのせいで、私がいつもどんな思いをしてると想ってるの!?私の顔に泥を塗らないでちょうだい!」



それだけ言うと、母さんは部屋を出ていった。
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