初恋のキミへ。


「…人がいるのに。」

と少し頬を膨らましながら俺を見る。


「綺麗すぎるお前が悪い。」


「なにそれ。」


そう言うと俺の手を取り歩き出す。


「元輝のこと見てる子たちたくさんいるからずっと手繋いでる」


本当可愛いこと言って、俺の理性を保てなくする。

他なんて関係ないのに。
未波しか見てないのに。

そう思ったけれど、
嫉妬してくれることに嬉しさがこみ上げる。


俺たちは少し人が少ない所に行き、海に入った。


もちろん、手は繋いだまま。
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