初恋のキミへ。


「未波っ!未波!」


この声は…


「未波っ!起きろよ!」


あたしの大好きな…


「元輝くん!落ち着いてよ」


「…いつになったら覚めてくれんだよ…」


愛しいあの人の声だ…


「こんなに語りかけてんのに…
全然起きねんだよ…」


泣いてる…?


「大丈夫。絶対届いてるよ…」


…ありがとう。


「…もう半年もなるのに…」


そんなに寝てたんだ…


「こいつをこんな風にした奴ら全員、捕まったって…
こいつが起きねぇなら意味ないんだ」


…捕まったんだ…


「あの女も、殺してやりてーくらいだったのに、はなしつけることしかできなかった…」


…ちゃんと言ってくれたんだね


「それだけで未波は幸せだと思うよ?」


…うん。幸せだよ。
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