初恋のキミへ。


俺とタケ、それから桃花ちゃんは毎日病院に通い、未波の傍にいた。

未波の両親から毎日お礼を言われた。

医師が話があるといい、俺たちはその言葉に固まった。


「彼女が目を覚まさないのには理由があるはずです。
一般的なケースは、目を覚ましても心を閉ざしてしまい、表情を出せなくなってしまうんですが…彼女の場合、それだけじゃありません。

脳波を調べたところ、目を覚ますことに抵抗があると見られます。

きっと現実を受け入れられないこともあると思うんですが…

目を覚まして、誰かに拒絶されるのではないかと恐怖で起きれない。それが第一に考えられます。

目を覚ましても、きっと一般的なケースと同じようになる。

もう…彼女の勇気に賭けるしかありません。」


医師は表情を曇らせながら、はっきりそう言った。
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