初恋のキミへ。


「なぁ?」


さっきから呼び掛けてもシカトしやがる。


「おい!聞けよ人の話」


そう言えば口を開いた。


「気にするなって言ったのはあんたじゃない」


どこまでも冷てぇ女だと思った。

だけど俺にはそれが新鮮に感じられた。

それと同時に嬉しくなったんだ。


「冷てぇ女」


「そう思うなら近づかないで」


「それは無理だな」


「…ねぇ」


初めて未波から話しかけられた。

そのことに少し舞い上がった。
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