*RENKA*
そして中一の夏。
明日から夏休みと言うのに
私は悲しい噂を聞いた。
「詩綺っ!!あのね、噂で聞いたんだけど・・・
桐沢くんと魅歩ちゃんって付き合ってるらしいよ??」
「・・・・そうなんだあ!!
いいなあ、美男美女カップルじゃん♪」
一瞬、頭が真っ白になったけど
無理やり笑顔をつくって言った。
「・・だね♪
詩綺さあ夏休みあいてる??」
「うん!!全然空いてるよ♪」
「よかったあ!じゃあバリ遊ぼう!!」
柑奈は私が少し悲しい顔をしたのを
気づいていたのか・・・
場の雰囲気を盛り上げてくれた。
二人で夏休みのことを話しながら帰った。
私はその間ずっと下を向いていた。
涙を隠すために。
自分でもなんで涙が出てくるのか
分からなかった。
そして今日は夏祭り。
私は、浴衣を着て
ワクワクした気持ちで家を出た。
家の前には
浴衣を着た柑奈が立っていた。
「詩綺、浴衣似合うー♪可愛い!!」
「可愛くないよー。柑奈こそ綺麗ん!!
大人っぽーい!!」
祭りでワクワクしているせいか
私たちはテンションが上がっていた。
楽しんで、ゆうの事なんか忘れようとした。
忘れる事なんてないのに・・。