大樹

キャンプ場

月日が流れ、あの深く暗い森は開発され、レジャー施設になり、森の中心部にあった大きな木のまわりだけが残され、キャンプ場になっていた。

大学生、８人の男女のグループがキャンプ場にやってきた。


「ねえ、知ってる？
昔ねここがまだ大きな森だった頃、家族連れが何者かに襲われて両親と赤ちゃんが惨殺された事件のこと。
子供が1人連れ去られたんだけど、犯人捕まってないんだって。」

「怖いわ。子供は見つかってないの？」

「うん。まだ見つかってないらしいよ。当時８才くらいの男の子って！」

「まさか、この森に埋められてたりして…」

「きゃあ！やめてよ。これだけたくさんの人が利用してるんだからもしもそうだったらもう見つかってもいいよね。」

「そうだね。それより荷物を片付けたら川に泳ぎにいこうよ」

「行く、行く」


いくつかの部屋のあるバンガローを借りて、遊びに来ていた。

管理人は1つだけ注意した。　

「絶対に森の木々を傷つけないこと」