大樹
彼らは遊び疲れたのかバンガローで休んでいた。
2人の男女がそっと抜け出してキャンプ場の中心部にある大きな木の下で話をしていた。
「アイ、君と付き合ってもうどれくらいになるかな」
「もう1年になるわ」
彼は彼女を抱き寄せて言った。
「卒業したら結婚しよう」
「イサム、うれしい!」
二人は抱き合い、愛を確かめ合うようにキスをする。
「この木に僕たちの名前を刻んで、僕達の愛を誓おう。」
木がざわついた。
彼らは気が付かない。
イサムはナイフを取り出した。
木の幹に二人の名前を刻みはじめた。
木は悲鳴をあげた。
二人には届かない。
木の根が動いた。
二人は気が付かない。
二人を包み込むように根が動く。
声を発てる間もなく木のなかに取り込まれていく。
そこにはナイフだけが残された。
2人の男女がそっと抜け出してキャンプ場の中心部にある大きな木の下で話をしていた。
「アイ、君と付き合ってもうどれくらいになるかな」
「もう1年になるわ」
彼は彼女を抱き寄せて言った。
「卒業したら結婚しよう」
「イサム、うれしい!」
二人は抱き合い、愛を確かめ合うようにキスをする。
「この木に僕たちの名前を刻んで、僕達の愛を誓おう。」
木がざわついた。
彼らは気が付かない。
イサムはナイフを取り出した。
木の幹に二人の名前を刻みはじめた。
木は悲鳴をあげた。
二人には届かない。
木の根が動いた。
二人は気が付かない。
二人を包み込むように根が動く。
声を発てる間もなく木のなかに取り込まれていく。
そこにはナイフだけが残された。