大樹
にわかに黒雲が現われたと思ったら嵐のような雨が降りだした。

「あれ?あいつらは?」

「えっ。誰?」

「イサムとアイ」

二人の姿が見えないことに気が付いた。

「どこかでいちゃついてるんだろ。天罰だな。この雨でびしょ濡れになって帰ってくるさ。
冷やかしてやろうぜ!」

笑いが広がった。


雨が止んできた。

いつまでたっても帰ってこない。

不安が広がってきた。

「おかしいな。もう雨もあがったのに…
何かあったのかな。」

「探しに行くか?」

「仕方ないなぁ。見つけたら食事当番だな」

「賛成!」

男3人で2人を探すことにした。


どこを探しても2人の姿はない。 

キャンプ場の管理人にも聞いてみた。

出ていくときは名前を書かないと戻ってきても中に入れてもらえないからだ。 

「まだ中にいるはずなのに…
人騒がせな奴らだな」

管理人はいやな予感を感じていた。
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