太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
タクシーが、私を乗せて走り出す。


私は矢も立てもいられず、運転手にバアちゃんの渡した紙を借りた。

そこには、母の現在住んでいる居場所が書いてある。

書いてあるはず、だった。



西山霊園。

AGJ 150―32基


去年、聞いたんだ。

美智代さん、最期は一人だったと聞いた。

今も一人で、そこに眠っとる。

これが最後だとしても、ちゃんと会って来い。




「運転手さん、止めて!お願い!。」


私は冷たくて暖かくて大きな滴の涙を、拭う事が出来なかった。

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