太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
タクシーから転げる様に降り、私を見送るバアちゃんの元へ走った。

涙が滲んで、よく前が見えない。

バアちゃんの姿が霞んで見えない。


息を切らして、私は大声で叫んだ。


「バアちゃん!

私、本当は、あの日

お母さんを、
お母さんを――、。」

殺してしまおうと。

消えてしまえばいいと。

心に、「私」が存在しないお母さんは、私には要らない。


私はもう なにも いらない

イラナイ

心の暖かい柔らかい所が、

ギシリギシリと、

キュウキュウと、

ワタシを クルシメル


暖かい太陽は、

ツメタイ スイカ 二


ツメタク 氷のヨウにして

無くして

シマッタラ

カナシクテ 寂しい
ココロなんて


無機物な
スイカ ミタイニ

キレイ、

かもしれない。

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