太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
タクシーに戻った私のダウンジャケット。

ポケットに、微かな振動がある。


忠志。

忠志からの電話。


携帯に耳を当てた。


「ミナト。
今、バアさん家か?。」

「ううん。タクシー。」

「そうか。
東京駅で待ってっから。」


しばらく沈黙が流れた。


「ごめん。

年賀状、あれ、俺書いた。

ごめん。」


「えっ?。」


「毎年同窓会あんのなんて知らなかったから、バレると思わなくて。

ごめん。」


「お前さ、――。」
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