太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
「寝ながらたまに、涙流してたから。」

ごめん。

笹木先生、すげえ好きな先生だったんだろ?
元気でるかな、ってただ思って。

嘘ついて、ごめん。」

「・・そうだったんだ。うん。」


私は涙を流しながら泣く人は、父しか見たことは無かった。

私も、同じだったんだ。

私も父も眠りながら、泣いていた。


私達を簡単に捨てた「母」を、私達は簡単に捨てられなかっただけだ。

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