太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
月の光がまぶしい。


トキは初めてそう感じた。

その寺は暗闇に紛れ、かすかな虫の音色と共に、

まるで真上に浮かんでいる秋の満月さえも、荘厳で美しいその月の音色を、地上に響かせるような夜だった。


トキは、障子越しの明かりを見つけた。

静光尼の姿が、その微かな暗灯の炎に揺れている。


トキは土間に膝まづき、そっと障子越しに座った。


「誰かいるのか?。」

静光尼が、そう声を出した。

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