太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
「はい。尼僧様。

これほどの夜更けに、失礼千万なのは、至極存じております。

尼僧様の慈悲深き御噂さは、かねがね耳にしておりました。

わたくしの虫の息の様な拙話でも、その御慈悲に触れさせて頂けましたら、この上無き幸せにございます。」


トキは小さな声を震わせて、そう答えた。


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