太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
静光尼はその歪んだ白濁の瞳を、静かに閉じた。

「トキ。わたくしにも、そなたと同じ様に心に決めた御方がいた。

しかし、その御方はわたくしを置いて――。

民を守る為と、訳あって御上に背き、その罪を問われ、夫婦になろうと契りを交したわたくしの目前で、死罪となりました。」


静光尼はふと口元を緩ませた。

「わたくしはその御方の死を見届けた後に、我が手でこの眼を潰しました。」

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