太陽の朝は窓を閉じて【オムニバス】
『――理由ハ、ワタシニハ、ワカラナイ。キットミンナ、ソレゾレ理由ハ違ウトオモウカラ。

ケド、サクラハ、ヒトリニナリタイカラ、心ヲ閉ジタワケジャナイト思ウノ』



「え?」



『――ヒトリガ寂シイカラ。

ホントウハ、ヒトリ、ニナルノガコワイカラ。ソンナジブンヲ守ルタメニ。傷ツカナイタメニ。

ウマク言エナイケド、ソンナ気ガスルノ。

ダカラ、サクラガ出タイ時ニ、ソコカラ出テキテネ。

キット、イツカハ、出テキテネ。ズット待ッテイルカラ。

サクラハ、サクラノママデ、イインダヨ』



私はなおに会いたいの。


約2年ぶりに、私は外に出る決心をした。


お母さん喜ぶだろうな。誰よりも、心配していたから。


怖くて、途中で部屋に引き返してしまうかもしれない。


でも、きっと、何かが。


微かな鼓動の様でも構わない。何かが、変わるかもしれないから。


今が、その時なのかもしれない。


太陽の光が私を包んでくれたら、きっと。


「なお、今度、私と会ってくれる?」


『――モチロンダヨ、サクラ』


「約束」
『――ヤクソク』


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