あのころ…
「美樹さんっ!」
 不良さんたちが僕の後ろにいるらしい女の人にひれ伏せる。
「顔がいいしさぁ、もーかわいい~❤」
「ひぃっ!」
 僕はその美樹さんとやらに抱きつかれて変な声を発する。
「こんにちは♪ 松本健くん♪ あたしはね、佐伯美樹よ。とりあえず高校3年生♪」
「とっ…とりあえず…?」
 僕はちょっとビビりながら佐伯美樹先輩に言う。
「卒業できなくてさぁ。まぁ、今は高校4年生かな?」
 佐伯美樹先輩は二カッと笑う(笑い事じゃない…)。
「どこまで高校にいられるかな~? みたいな♪ 永遠の女子高生でいられるかも♪」
 超ポジティブは方だ。普通はここは頑張って卒業しようとするだろう。
「てなことで、マツケンくんはシネケンに入部~♪」
 シャレのつもりだろうか。
「これで、バンバン売れるわ~♪ いやー楽しみ♪」
 僕はOKしたつもりはないけど、そういうことを前提で話が進んでいる。
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