加納欄の誤解 シリーズ15シーズン2
大山先輩が酔っ払うのは、多々あるけど、高遠先輩が、酔っ払うのは、あまり見たことがなかった。


祥子先輩と、何かあったのかな……(-.-)


必然的に、そう思ってしまう。

「あ~うまかった。じゃ、帰るわ」

そう言うと、高遠先輩は、フラフラしながら、出て行こうとした。

足がもつれて転びそうになった。

あたしは、ガシッと、高遠先輩を、支えた。

「大丈夫ですか?酔いがさめるまで署にいたほうがいいんじゃないですか?薬持ってきますよ」

あたしは、ふらついている高遠先輩に、話した。

「ここにいたら、襲うからいい」

「はい?」

よく、聞き取れなかった。

「襲いたくなるから帰る」


完っ璧酔ってるわ(-.-;)


「ハイハイ。私のこと、少しは女として、見てくれてんですね。ありがとうございます。高遠先輩、こっち、ソファーに横になっててください。薬、持って来ますから」

あたしは、クルクル回る高遠先輩を、ソファーへ誘導し、なんとか座らせた。

あたしは、薬を取りに行こうと立ち上がると、高遠先輩が、あたしの手を掴んだ。

「あの……薬取りに行けませんが?」

酔っ払いの対処は、大山先輩や、他の先輩達で、慣れていた。

「酔ってねぇし」

「……何杯飲んだんですか?」

「飲んでねぇ」

「どうやって戻って来たんです?」

「飛んで」


十分酔っ払いですよ(-.-)


「とりあえず、仕事もあるんで、高遠先輩は、寝ててください」

あたしは、高遠先輩の手を離そうとした。

グイッと引っ張られ、高遠先輩の前に倒れた。

手は、離してくれなかった。

「痛いじゃないですか。女として見てるなら、少しはいたわってくださいよ、もぉ!」

あたしは、膝をさすり、また立とうとした。

すると、高遠先輩は、何を思ったのか、あたしを引き寄せ抱き締めた。


…………。


全く!


ここの署の連中は、飲むと誰彼構わず抱きつくんだから!



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