R -gray*dearest-
次々に繰り出されるパンチやキック、
しかし
“タカハシ”には屁でもない。
素早く相手の懐に潜り込んでは
的確に急所を狙い打ちする。
もはや
喧嘩慣れしているとしか
言えなかった。
しかし、
黒いパーカーを着たヤンキーが
“タカハシ”を羽交い締めにしようとした。
ガッと彼女の両脇を抱えあげた。
彼女は少し大きく目を見開くようにしたが、
全く動じる事なく、
「触んな気色悪いっ!!」
と、
黒パーカー男の足の甲を踏みつけ、
右横腹に肘鉄、
左に振り向きざまに
鼻を肘打ちしてやった。
男の顔面から血が噴き出した。
パパッ
と“タカハシ”の顔にかかる。
鉄の匂いが蔓延した。
「鼻骨折れてても知らねーかんなっ!」
彼女は振り向くことなくそう叫ぶと、
また襲いかかってきた他のヤンキー達を
ボコりだした。