R -gray*dearest-
-ナイフ!!
「ナイフを使うなんて、
ず、ずるいぞ!!」
卑怯な加藤に思わず秀が叫んだ。
「ハッ、黙ってろガキッ!!
俺はこいつに勝てりゃいいんだよっ!!」
加藤が舌なめずりをして、
“タカハシ”にナイフを構える。
そして、じりじりと近づいて行った。
ピリピリとした空気が広まる。
秀は“タカハシ”を見た。
その顔には、
驚きも、焦った様子も全くない。
むしろ、怖いほど冷静だった。
「ンの野郎!!
なめくさった顔しやがって!!」
加藤は、
ナメられたと受け取ったのか、
とうとうキレた。
アスファルトを蹴る音。
加藤は“タカハシ”に襲いかかって行った。