R -gray*dearest-





-ヒュオ…ン…






加藤のナイフが空を切る。




「このっ、このっ!!」





ヒュンヒュンと加藤はナイフを振り回すが、

いっこうに当たりもかすりもしない。




それに対して“タカハシ”は、
まるでリズムをとり、

ステップを踏むかの様な絶妙な反射神経で
迫り来る銀の刃をユラリユラリとかわしていた。







「はぁっ!はぁっ!!
何でっ、かすりもっ、しねぇんだよ!?」





「ハハハッ。雑魚がっ!
ナイフの取説いるか?ぁん?」






「てんめぇっ!!」




少し疲れてきた加藤だったが、
“タカハシ”の挑発で
また怒りが沸々と湧いてきた様だ。






「さぁ加藤。そろそろ決着つけようぜ?」





しかし、
その途端、
ナイフが“タカハシ”の頬をかすめた。







< 13 / 32 >

この作品をシェア

pagetop