R -gray*dearest-
-ヒュオ…ン…
加藤のナイフが空を切る。
「このっ、このっ!!」
ヒュンヒュンと加藤はナイフを振り回すが、
いっこうに当たりもかすりもしない。
それに対して“タカハシ”は、
まるでリズムをとり、
ステップを踏むかの様な絶妙な反射神経で
迫り来る銀の刃をユラリユラリとかわしていた。
「はぁっ!はぁっ!!
何でっ、かすりもっ、しねぇんだよ!?」
「ハハハッ。雑魚がっ!
ナイフの取説いるか?ぁん?」
「てんめぇっ!!」
少し疲れてきた加藤だったが、
“タカハシ”の挑発で
また怒りが沸々と湧いてきた様だ。
「さぁ加藤。そろそろ決着つけようぜ?」
しかし、
その途端、
ナイフが“タカハシ”の頬をかすめた。