R -gray*dearest-
「あっ、えっと…大丈夫ですっ。」
少し照れが入り、
秀は視線を下に外す。
「助けてくれて
ありがとうございました…。」
しかし、
「おい少年、
お礼は人の目ぇ見て言えよ。」
“タカハシ”が秀にビシッと指導した。
「親に教わってねぇのか?
礼儀はしっかりしろって。」
「あ、はい、スミマセン…」
「謝んなっ!」
ヒィッと秀は肩をすくめる。
「ス、スミマ…いや、ありがとうございます。」
今度は視線を外さずに
秀はしっかりとお礼を言えた。