R -gray*dearest-
曲がりくねった路地をしばらく歩くと、
途端に広い道へと出た。
街灯の灯りよりも強く、
街のネオンが強烈に瞬く。
途端に光を強く浴び、
秀は少し目を痛くした。
そんな光の中、
都心のセンター街に繰り出した若者達で
通りはますます賑わい、
人がごった返していた。
「じゃあな少年。
明日の朝、
きっとおもしれーもんが見れるぞ。」
“タカハシ”は振り向いて
意味深な笑顔を見せた。
「これからは気を付けろよ?
まぁしばらくは起きないと思うけど。
…あと、靴ひもちゃんと結んどかねーと
転ぶぞ?」
「あ、え?」
いきなりの指摘に思わず下を向いた。
確かに靴ひもが
解けていた。