R -gray*dearest-
学校に到着
というところで、
秀は立ち止まった。
校門の前に、
生徒達の人だかりができている。
人だかりの外から
中を覗き込んで抜け道を探した。
「あのー…通りたいんですけどっ?」
両足でピョンピョン跳んで、
校門に向かうスキを窺う。
その時、
フッ
っと人がまばらになり、
少し道ができた。
ヤッタ!
今のうちっ。
生徒達をかき分け
抜け出そうとした瞬間、
「んだてめぇらっ!
ジロジロ見てんじゃねぇぞっ!!
写メ辞めろコラァッ!!!!」
怒声が聞こえてきた。
ヒィッ
っと肩をすくめる秀。
秀は恐る恐る他人の陰から
怒声の主を覗き込む。