R -gray*dearest-







「−てめぇらぁっ!!」





殴られると思った瞬間、

何処から怒鳴り声がした。






ヤンキー達は一斉に動きを止め、

秀の後ろの塀の上を見上げる。




そして、

秀もつられて後ろを見上げた。








…誰か…いる?







「…よぅ…。加藤…。
…こんなとこで何してんのカナ??」


その言葉は一見、明るい風に言っているようにも聞こえるが、

どこか冷たく、なにか突き刺さるような感じを醸し出していた。






そして、薄暗い路地の塀の上で、
正体不明の人物は、白い歯をニカッと見せてこう言った。




「ここはアタシらの“シマ”。
てめぇら、最近有名なシマ荒らしヤロー達だろ。
前に容赦してやったの忘れたのかっ!
あぁっ!?加藤!!」






< 7 / 32 >

この作品をシェア

pagetop