R -gray*dearest-
「−てめぇらぁっ!!」
殴られると思った瞬間、
何処から怒鳴り声がした。
ヤンキー達は一斉に動きを止め、
秀の後ろの塀の上を見上げる。
そして、
秀もつられて後ろを見上げた。
…誰か…いる?
「…よぅ…。加藤…。
…こんなとこで何してんのカナ??」
その言葉は一見、明るい風に言っているようにも聞こえるが、
どこか冷たく、なにか突き刺さるような感じを醸し出していた。
そして、薄暗い路地の塀の上で、
正体不明の人物は、白い歯をニカッと見せてこう言った。
「ここはアタシらの“シマ”。
てめぇら、最近有名なシマ荒らしヤロー達だろ。
前に容赦してやったの忘れたのかっ!
あぁっ!?加藤!!」