R -gray*dearest-
塀の上にいる人物が、ヤンキー達に怒鳴り散らす。
窓ガラスが割れそうな勢いだ。
秀がヤンキーの加藤達を振り返ると、
そいつらは俯き、怯えているようにも見えた。
すると−
“よっ、”
と言う掛け声と共に、
塀の上の人物がヒラリと地面に降りてきた。
すると、ヤンキー達の1番手前にいる男が怒鳴った。
「う、うるせぇっっ!!
てめぇ“タカハシ”!!
女のくせに“雷神”なんて
調子こきやがって!!
ちょうどいいっ、殺っちまえ!!」
--女?
--“雷神”!?
秀は“タカハシ”と呼ばれた
女性だという人物を凝視した。
“タカハシ”は、背の高さからして一瞬見ただけでは女性には見えなかった。
そして、加藤の掛け声と共にヤンキー達が束になって“タカハシ”に殴りかかる。