ヒメ恋~Last Love~
「え?」


「君に恋人がいることは知っていたから、お父様には断っておいた」


「あたしのこと話したんですか?!」


つい大きな声を出してしまったーー


「話してないよ。食事中に言った通りに断った。オレじゃ栗原の家を潰してしまうーーってさ」


「そうですか・・・」




でもきっと父は諦めていない。


でなければあたしの『恋人』に、あそこまで過敏に反応するはずがない。



颯斗さんの言ってることが真実でも・・・



父が諦めない限り安心はできない。



結婚なんて



ぜったいしない。



親に決められた結婚なんて・・・



あたしはただ・・・



愛する人と一緒にいたい



ただそれだけなのーー




また1つ


今後のあたしの人生を左右する大きな悩みが


生まれてしまった。

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