ヒメ恋~Last Love~
「あたし、一條海里と付き合ってるんです」



・・・知ってるよ。



「美海さん、海里とは幼なじみなんですよね?」


「・・・えぇ」


「あたしずっと美海さんに会いたいってお願いしてたのに、美海は忙しいから無理だって・・・」


そんな話聞いたことない・・・。


きっと、あたしに気を遣ってくれてたんだね。



ただの幼なじみじゃないから・・・



あたしの気持ちを考えれば、簡単に会わせられないーー。



海里・・・



あたしを傷つけないように、ずっと守ってくれていたの?




ーーー

少しの沈黙の間、彼女がずっとあたしを凝視していたのが気になった。


それはまるで、あたしを観察しているようでーー








「…最近、海里と会ったりしましたか?」



彼女の表情、口調が突然変わった瞬間。




そう、ここからが彼女の本題で・・・





海里が愛しているのは自分なのだと、勝ち誇った表情で・・・



あたしの未来の、ほんのわずかな希望もーー



何もかも全てを




・・・打ち砕いたんだ。

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