ヒメ恋~Last Love~
最後まで悪あがきをするあたしに、とうとう罰が下ってしまったーー。


きっとあたしにとって、これ以上のダメージを与えるものは・・・



存在しない。



「美海さん、突然変なこと聞いてごめんなさい」


険しい表情から急に笑顔になった彼女。


もっと追求されるかと思ってた。


余りに呆気ない終わり方に『おかしい』と思いながらも、


「大丈夫よ」


と笑顔で返すしかなかった。


でも彼女は諦めたんじゃなく、最強の武器を手にしていたからこその余裕だったんだーー。


「あたし、美海さんのファンっていうのは本当なんです。だから握手してもらえますか?」


彼女はそう言って右手を差し出した。


わざとらしく、手のひらを下にして・・・



最強の武器を見せつけるかのようにーー。

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