ヒメ恋~Last Love~

海里の家に着くと、メイドさんがいつものように扉を開けてくれた。


「こんにちは」

「美海お嬢様、いらっしゃいませ。海里様がお待ちですよ」

「ありがとう」


あたしはメイドさんにニッコリ微笑んで海里の部屋に向かった。


──コンコン


「どうぞー」


海里の返事を聞いて、あたしは海里の部屋のドアを開けた。


「お疲れ、美海」


いつもの笑顔であたしを迎えてくれる。

それだけで嬉しくなるあたしは、ほんと単純だなって思ってしまう。


「ただいま」

「今日の撮影は楽しかった?どんな撮影だったの?」


今日もらってきたポラを海里に渡しながら、ちょっと自慢げに聞いてみる。


「どう?今回はちょっと大人っぽいでしょ?」

「んー……可愛い」


海里の言葉にドキッとした。

でもそれを知られたくなくて、

「えーッ!?今回は誘惑する感じで大人っぽくしたのにー!!」

なんて言ってしまった。


『可愛い』って言われたことを素直に喜べばよかったのに、なんだかすごく恥ずかしくなってしまったんだ。


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