ヒメ恋~Last Love~
「初めてちゃんと…あたしを見てくれたってことでしょう?だから嬉しいの…」


本当はずっと呼んで欲しかったんだわーー。


「泣いているのか笑っているのか…よく分からないな・・・」


「ほんとね・・・」


あたしたちは顔を見合わせて微笑んだ。


「あたし…生きるわ…あの子のためにも…。あたしの命を救ってくれたのは…あの子だったから・・・」


可愛く笑って・・・。


「え?どういうこと・・・?」


「…内緒」


これはあたしと赤ちゃんだけの秘密ーー。


「ふーん・・・」


彼は少し不機嫌になってしまったようだけれど・・・。


「可愛い女の子だったわ・・・」


「えっ」


彼が驚いた顔で私を見た。


「あたし…あたしもあなたを愛しているわ、海斗」


彼の頬を両手で包み込んだ。


「愛しているの・・・」




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