ヒメ恋~Last Love~
「美海…中に入って話そう」


最初に沈黙を破ったのは海里だった。


海里の背中を追いかけながら、これから告げられることを想像していたあたし。


小さい頃からいつも、海里の背中ばかり追いかけてきたけど…、それも今日で最後になるかもしれないーー。


リビングのソファーに海里が座って、あたしをジッと見つめてきた。


「昨日…どこに泊まったの?」


「実家…だけどーー」


なんだか海里の様子がいつもと違う気がする。


「オレ、昨日何度も携帯に電話したんだけど」


「えっ?ごめん…カバンに入れっぱなしにしてたから…」


「心配するだろ?帰ってもこない、連絡もつかないんじゃ…」


「ごめん…」



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