ヒメ恋～Last Love～

「はじめまして、鈴村颯斗です。美海さんのことはよくご両親からお話を伺っていました。実際にお会いできて嬉しいですよ」


「こちらこそ、いつも両親がお世話になっています。私の方が年下なんですから、敬語は止めて下さい。……それに、美海“さん”じゃなくて、美海でいいですよ」


『美海さん』なんて、なんだかこそばゆい。


さすが幹部候補だけあって、娘のあたしへの挨拶もぬかりないな、なんて関心をしてしまった。



その後の撮影も順調に終わり、颯斗さんと一緒に食事をすることに。

もちろん２人きりじゃないけど。


あたしは待ってくれている海里にメールを入れた。

『今から撮影スタッフの人たちとご飯食べに行くことになっちゃった。。なるべく早く済ませるから、それまで待っててくれる？』


──♪♪


すぐにきた海里からの返事が嬉しくて、自然と顔が緩む。


『分かった。今日はずっと家にいるから、いつでもいいよ』


その返信を見て、更に緩むあたしの顔。


どんなに撮影で疲れていても、失敗をして落ち込んでいても、海里からのメール１つであたしはすぐに元気になれる。


海里は、あたしの一番の特効薬だから。