ヒメ恋~Last Love~
あたしはただ黙って俯くことしかできなかった。


「美海」


名前を呼ばれ、再び海里の目を見るとーー


「覚悟がないなら、軽々しく愛人になる、なんて言うな」


あたしを真っ直ぐ…鋭い目で見つめる海里が怖い・・・。


「…っ、…っーー」


初めて海里を『怖い』と思った。


「どちらにせよ、美海にそんな真似はできないよ。美海は軽い付き合いができるような女じゃないだろ?」


…できないよ、海里以外好きになったことなんてないんだからーー。


「子供のお前には無理な話だ」


ーーー?!



「ひどい・・・」


あたしは泣きながらマンションを飛び出した。


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