ヒメ恋~Last Love~
こんなに泣いたのは久々だった。


美海に見られなかったのが唯一の救いーー。


こんな顔で「愛人になる?」なんて説得力もないしな…。


美海・・・


お前とはもう会えないかもしれないけど…


オレはいつでもお前の幸せを祈ってる。


「必ず…幸せになってな…」



マンションの合い鍵をテーブルに置いた。


これが…本当の終わり。


このマンションで過ごした幾つもの記憶が蘇る。


オレはしばらく目を閉じたまま、思い出に浸っていた。



「美海・・・」




静かにドアを開け、部屋を後にした。



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