ヒメ恋~Last Love~

「美海ちゃん?」


押し黙ってしまったあたしの顔を覗き込みながら、颯斗さんが言った。

やっぱり余裕だ。


もしかしてあたしの勘違いだったのかな?


……そうだよね、今日初対面だし。

颯斗さんは大人だし、さっきのはきっと冗談。


ただの自意識過剰女になってしまったことを隠すために、少し笑い混じりに返事をした。


「またまたー、冗談はやめて下さいよ。うっかり信じちゃいそうになったじゃないですか!!」


「ごめんごめん」と返ってくるはずの言葉はなく、颯斗さんが急に真顔になって

「本気だけど?一目惚れしたみたい、オレ」

真っ直ぐとあたしを見つめ返してきた。


ウソ……

颯斗さんがあたしに、



一目惚れ?


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