ヒメ恋~Last Love~
やっぱり自分の気持ちに嘘をついたまま結婚したって、誰も幸せになれない。
それに、あたしはこの子に嘘をつきたくない。
颯斗さんのお母様のように、『愛した人の子供』なんて言いたくない。
『今も愛している人の子供』なんだって言ってあげたい。
もう少しで颯斗さんの優しさに頼ってしまうところだった。
颯斗さんの未来を歪めてしまうところだった。
あたしとこの子だけが幸せじゃいけない。
颯斗さんが幸せになるためには、あたしが颯斗さんを愛してあげなきゃいけないんだ。
でもあたしにはきっと……
それはできない。
だから颯斗さんの優しさに甘えちゃいけない。
そんな資格、あたしにはない。