ヒメ恋~Last Love~
あたしの耳元で、そう甘く囁きながら、海里はあたしを抱きしめベッドにゆっくり倒してキスをした。
──微かに香る香水。
海里の香りじゃない、誰か別の女性のモノ。
いつもと変わらないはずなのに、胸がキュウッと締めつけられる。
「美海……好きだよ……」
海里の行為はどんどんエスカレートしていく。
『ウソつき』
本当は別の女のヒトと一夜を共にしたくせに。
ついさっきまで別のヒトを抱いてたくせに……。
あたしを抱くように、そのヒトの名前を呼びながら耳元で『好きだ』って甘く囁いたの?
『そんなのイヤ……』
海里。
あたしはあなたの心を独り占めしたい。
例え他に関係を持っている女性がたくさんいたって、“心”があたしにあるのなら我慢できる。
でも……
それはあたしの、ただの自惚れだったんだ──…