ヒメ恋~Last Love~

人間って一体どれだけ泣くことができるんだろう。


涙は拭いても拭いてもどんどん溢れ出して止まらない。


窓の外では、海里が彼女を車の助手席に乗せ、2人でどこかへ出かけていった。


あたしは車が見えなくなるまでずっと目で追い続ける。


また1つ、

あたしの大切な居場所が減った。


2人はどこに行ったんだろう?


もう遅いし、彼女を送って行ったのかな?


海里。


今日はもう帰ってこない?

彼女の側にずっといるの?


……なんて、あたしに海里の行動に口出しする権利なんてどこにもないんだ。


だってあたしたちは、ただの幼なじみ。

今はもう、幼なじみでもないかもしれないけれど。


ダメだ、また視界が歪んできた。

もう限界……。



「うわぁぁぁぁぁ!!」


あたしの悲痛な叫びと共に、今まで押し殺していたものがとうとう爆発した。


初めてこんなに大声を上げて泣いた。


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