ヒメ恋~Last Love~

海里がゆっくり顔を上げてあたしを見つめた。


……とても悲しそうに。


あたしが海里にそんな顔をさせている。

そしてその顔が……


答えだ。


「特別な存在……って?それは妹として?……女として?

……彼女よりも大切ってこと?」


「恋愛感情なのかは分からない。もしかしたら違うかもしれない。……でも美海は昔から、オレにとってなくてはならない大切な存在だよ。

きっとそれは、これからも変わらない。彼女のことは、会社の都合で付き合ってるだけだよ。……恋愛感情なんて、どこにもない」


彼女のこと、恋愛感情はないって言われて、少しホッとしてる自分がいる。


でもあたしのことも、

きっと恋愛感情じゃない。


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