ヒメ恋~Last Love~

「海里、あたしを女として受け入れられないなら……キライだって言って?好きだって言われたのに受け入れてもらえないなんて、いつまでもあたし……希望を持っちゃうから。だからお願い。キライって……言って」


こんなに涙でグシャグシャな顔じゃ説得力なんてないけど。

ハッキリ振ってくれたなら、海里を諦める努力をするから。


「美海を受け入れることはできない。だけど、キライだなんて言えないよ。美海のことは好きだから」

「ずるい」


どうして突き放してくれないの?

その優しさは、逆にあたしを苦しめるんだよ?


「ずるいよ。……海里はずるい!!そういう優しさが……ッ、逆にあたしは苦しいの!!

あたしは海里が好き。でもそれは海里と同じ“好き”じゃない。

あたしは海里を“兄”じゃなく、1人の“男の人”として好きなの。

だからもう、あたしたちの間には“兄妹”の選択肢なんてないんだよ」


もう元の関係には戻れないんだよ、海里。

今まで通りなんてできっこない。


この告白は、そういう意味だから。


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