ヒメ恋~Last Love~

どこまでも疲れるガキ。

だけど、きっとこのワガママ姫は、オレがキスするまで帰らないだろう。


「早くッ!!」

「……」


唇を少し突き出して目を閉じる理奈に、しぶしぶキスをした。


「どうしておでこなの!?」


ちゃんと従ったのに、それでも不満顔をする理奈。


「子供はおでこで十分だよ」


オレはにっこり笑って答える。


理奈は一人娘で父親に溺愛され、ずいぶんワガママに育ったらしい。


今まで手に入らなかったものはない!

なんて豪語していたくらいだ。


だから世の中には手に入らないものもあるんだってこと、知っておくのもコイツのためだと思う。


……なんて、苦しい言い訳だけど。


< 83 / 300 >

この作品をシェア

pagetop