転校
―引っ越しが決まり、幼い私も『友達と離れなくてはいけない』という大事なことに気付いた。

学校では私が転校するという噂が広まり、私の周りには親友から話したこともない男子と、それなりの人数が集まっていた。

「まゆちゃん、ひっこしちゃうの!?」

「―うん。」

「どこ行くんだ!?」

「―わかんない。」

「えぇ〜!?」

私は此処にいるみんなとお別れをしなくちゃいけないという事の重大さに、今にも泣き出しそうだった。


―何で私が?

―みんなと離れるのは嫌だ。

―此処に居たい!


そんな思いも虚しく数日後、私は親友の祥子に見送られながら住んでいたアパートを去った。
最後に祥子に渡された小さな指輪―祥子とお揃いだ―を手の中にギュッと握りながら・・・



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